カレーうどん

 黒い片手鍋に計量カップで水を800ml入れる。スーパーで買ってきた昆布を1枚取り出して、水で軽く洗ってから鍋に入れる。そのまま浸して約30分間放置だ。昆布が水を吸って色を少し取り戻し、かつて海を漂っていたであろうその時の大きさを取り戻したら、鍋に火をつける。沸騰する直前で火をつけたまま昆布だけを取り出し、今度は鰹節を軽く一掴み鍋に投入する。吹きこぼれないように火加減を調整しながら、2分くらい沸騰させたままにする。火を止めて鰹節が底に沈んだら、網で綺麗に鰹節を掬い取るのだ。

 同じくスーパーで購入した玉ねぎを一玉用意する。皮を向いて両端を切り落とし包丁で半分に切る。1cm幅くらいで大きめに切り、先ほどの出汁に入れる。玉ねぎと一緒に青ねぎの白い部分も斜めに刻んで一緒に鍋に入れる。出汁の鍋とは別にもう一つ鍋を用意して、8分目くらいまで水を入れて沸騰させたら火を止めた後、しゃぶしゃぶ用の豚のばら肉を1枚ずつ鍋に広げて入れる。全て入れ終わって肉の色が変わったらザルに開ける。食べやすい大きさに切ったら、これも同じく出汁の鍋に加えよう。

 具材を入れた出汁が入った鍋に弱火で火をつける。火をつけたまま30分くらいそのままにして具材に火が通るのを待つ。玉ねぎと青ネギからは甘味が染み出してくるが、固めの食感が良ければ時間を短くしても問題ない。具材に火が通ったらカレー粉を準備しよう。特に一定の量を決めているわけではないが、小さじで4〜5杯くらい入れればしっかりスパイスの味がつくはずだ。唐辛子のような辛さではないが、苦手な人はカレー粉の量を調整すればいい。ルーではないので、一般的なカレーライスのようなとろみはほとんどない。

 うどんの種類は完全に個人の好みだ。僕の場合は買い物で見つけた半生の太めで300g入ったうどんを買ってきた。2人で食べるには多いかもしれないが、僕が大盛りくらいの量が好きなのでそれでちょうどだ。個人の食欲に合わせて適切な物を選べばいい。パッケージの指示通りに麺を茹でたら、ざるに開けて表面のぬめりを取る為に軽く洗う。そして丼に麺を盛り付けた上から、熱々のつゆと具材を掛ければカレーうどんの完成だ。火を通す時間にもよるが、玉ねぎと青ねぎは柔らかくなって溶け出しているかもしれない。それらの甘味とカレー粉の旨味が合わさることで、ルーとは違って香りが際立つ1杯になる。

 僕は食べ始めてすぐに汗が出てくるが、暑がりの人でなくても身体が温まるはずだ。料理に使う食器も多くないので、食べ終わった後の片付けも大変ではないだろう。次の日に調理した鍋を開けると、まださっきまでカレー粉が入っていたかのような香りが微かに漂う。そしてまた僕は同じ食材を買いに出かけていくことになる。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

未分類

前の記事

3週間と少し
未分類

次の記事

肩幅と湯船