iPhoneを予約
大人になった僕には、無料で誰もiPhoneを使わせてはくれない。毎月お金を払って使い続けている。夜中の2時に起きてAppleの製品発表イベントを見てから、iPhone 12 Pro Maxのどの色を買おうかと思案し続けた。発売日が確認すると、今月に購入できると予想していた僕にはもどかしい販売日程だった。ただ1ヶ月弱の猶予ができたとも言える。ほぼ間違いなく6.1インチのiPhoneには手を出さないつもりだから、あとは納得するまで情報を集めて気に入った色の機種を予約するだけだ。
前回iPhone Xを予約した時には、自宅に直接配送されるように手続きをした。確かその時僕は仕事で職場にいたから、直接は受け取れなかった。スマホに送られてきた写真に映る梱包用の箱を見て、早く家に帰りたくなった。自分がその日何事もなく無事に家に辿り着けることをひたすら願いながら、終業の時間が来るのを待ち続けたことを覚えている。当時の僕はiPhone Xこそが最強最高のiPhoneだと思い込んでいたけど、それがずっと続かないことは明らかだ。当時の最新のデバイスは、時間が経てばいつかは過去の機種となる。
それを分かっているからこそ、その時に自分が一番気に入って長く使える製品を選びたい。それはiPhoneに限ったことではない。身に付ける物や衣服もそうだ。金額の高い低いではなくて、自分が本当に魅力的だと思える物だけに出会い続けたいと思っている。今回のiPhone 12に関しては、ある意味節目のモデルと言えることも購入の理由のひとつだ。iPhone XはFace IDとノッチが付いてはいるものの、初めて全画面になった機種だった。そして今回のiPhone 12シリーズは初めての5G対応になったiPhoneだ。
希望の機種はほぼ決まっているのだけど、先行して販売されるモデルの予約がどれくらい盛況なのか確かめたくなった。確かめたところで、本番になれば繋がるまで何度もリロードボタンを押し続けることになるのだろうけど。夜の9時から予約開始となっていた。夕飯を食べている時も少し落ち着かない。9時の15分前になって予約ページを確認してみる。もちろんまだ予約を進めることはできない。僕と同じようにきっとたくさんの人がスマホやパソコンの前で刻一刻と迫るその時を待っている。
そしていよいよiPhone Xの右上に表示されたデジタル時計が、予約開始時刻を告げた。予約ボタンが不活性だったので、リロードするといきなりアクセスエラーになった。再度リロードするも同じ画面が表示される。リロードを繰り返して、時折時間を空けて試すようにと書かれたページが表示されるが、その先には中々辿り着かなかった。既に10分が経とうとしている。前回は予約開始10分で手続きを終わらせられたが、その時間が過ぎようとしている。一か八かオンラインショップのトップページに戻ってから予約画面を開き直してみる。すると予想に反して機種や受け取り方法の選択画面が現れて、その後は予約完了まで一気に進むことができた。
期待通りのスマホであってほしい。ただ僕がどれだけ期待しても、AppleがiPhone 12に対して妥協した部分というのは必ず何かしらあるだろう。消費者である僕が知らないだけだし、この先も知り得る機会はないはずだ。提示された情報の中でいつも判断するしかない。自分で調べたとしても、教えられない事というのは誰にだってある。個人も企業も同じだ。だからいつも最後はやはり自分の感覚を信じて、ボタンをタップするんだ。