風を通す
連日の酷暑も今日はほんの少しだけ収まったようだ。決して涼しいとは言えないのだけど、ちょっとした買い物で外を歩くくらいなら、不快に感じ出す手前で冷房の効いたお店に辿り着く事が出来る。それでもやはり屋内外の温度差はどうしても発生してしまう。幸いな事に今年の夏は大きく体調を崩す事もなく過ごせているけど、熱中症のリスクもあるから油断はまだまだ出来ない。ハンドタオルはまだしばらく手放せそうにない事に変わりはないが、夏は必ず終わりを迎えて季節は移ろっていく。
自宅ではエアコンを常時運転させている。付けっ放しで電気代が増えそうだが、意外にも例年とほぼ同じ金額で推移している。電気の検針票は毎回スマホで写真で撮って残している。だから去年の同じ月と見比べて多い少ないを確認し、自分達で節約出来そうな事は試みている。設定温度も低くしていないから、エアコンが常時全力で部屋を冷やし続けているのでもない。小まめな温度や風量の調節くらいで、後は冷え過ぎない程度に活用している。
自宅の間取りは1DK。エアコンは寝室兼リビングにしている部屋の窓側に設置されている。新しい機種とは言えないが、すごく古いわけでもない。リモコンの操作にも正しく反応するし、部屋を冷やしたり暖めたりする事も問題なく出来ている。吹き出し口の羽を目一杯上に向けても、座っている僕らに向かって冷たい風が直接当たっていたので、エアコンの本体の下部に粘着テープで風除けを付けたのは確か6月頃だった。今はその風除けのおかげか、エアコンの風で身体が冷える事は無くなった。
そのエアコンから吐き出された冷たい風は少しだけ天井と平行に流れ、その後キッチンと部屋の境界の手前で落ち始める。あくまでも僕がそう思っているというだけの話だが。そして床に置かれたサーキュレーターが、キッチンへ向かってその冷やされた空気を更に遠くに飛ばしてくれる。本音を言えばキッチン側にもエアコンが設置されていれば文句はないが、賃貸だから妥協せざるを得ない。サーキュレーターがなければ、ほぼ毎日自炊で使うキッチン側は耐えられない程暑くなっていたかもしれないから。
エアコンがもうひとつあればいいのと合わせて、今エアコンが設置されているベランダ側にある窓だ。その窓と正対するように自宅の反対側にも大きな窓があればいいなと思う。ただそれも賃貸に住み続ける限りは叶いそうにない。反対側に窓があれば家の端から端まで空気が通るだろうし、エアコンの冷たい風ももっと全体に行き渡ると考えている。挙げ出したらキリがない。物を買い足すよりも、物を増やさずにどうやって生活を快適に出来るか知恵を絞る方が、後々居住場所が変わったとしても、行った先で工夫が生きてくるはずだ。明日の理想の暮らしを常に思い描きながら、今日も1日が終わろうとしている。