吐いた息を吸う
この1週間はほぼ、昼食にスガキヤの生ラーメンを茹で、夕食は先週末に作り置きしたカレーを食べ続けた。カレーを一度作ってしまえば、少なくとも週の半分は夕食の献立を毎回考える必要がなくなる。スーパーに買い物に出掛けはするけど、カレーと一緒に食べる野菜を少しだけ買ってすぐに家に帰る。熱したフライパンにごま油をほんの少し垂らしたら、野菜を適当な大きさに切って軽く炒める。カレーは一度だけ沸騰させた後、冷めないように時々火を入れる程度だ。
最近しばらく曇りが続いて涼しかった。マスクをしていても息苦しいと感じることは少なかったように思う。けど今日は違った。午前中はそうでもなかったのに、午後になると誰かに手でマスクを抑えられているような心地がして時々外したくなった。外しはしないのだけど、吐き出した空気が鼻から入ってそのまま肺に戻らずにまた口から吐き出される。マスクの中の空気は入れ替わらずに濃くなっていくばかりだ。自販機で買ったお茶を飲む時にはマスクを下げる。冷たい液体が喉に心地いい。
今日も僕はいつものようにペットボトルをリュックサックに詰め込んで腕立て伏せをする。昨日の夜に洗って外で乾かしておいた。通気性は元々いいから時間は掛からない。アームカールをするトートバッグも一緒に洗って干した。午後にはすっかり乾いていたから、今日も問題なく上腕二頭筋を追い込める。毎日上腕三頭筋と二頭筋のことばかり鍛えているけど、それだけではバランスが悪い。最近は少しお腹が弛んできてしまったし、毎年恒例の健康診断も受けなくてはならない。自己負担なしで検査してくれるのは本当にありがたいのだけど、どうせなら引き締まったかっこいい身体で望みたい。
床に敷いているヨガマット。腕立て伏せで僕の手の平を受け止め、身体を支える爪先も滑らせない。ただその2箇所は擦り切れてしまってだいぶ薄くなっている。買ったばかりの頃にはあった表面の微かな凸凹もほぼ水平になっている。元々分厚くはないから、最初から時間の問題だとは思っていた。100円均一で買った物だから値段も数百円で済む。明日明後日は休みだから涼しい時間帯にでも見に行ってこようかな。涼しい時間帯があれば、の話だが。
痛みを和らげるには、呼吸を続けることだ。それで痛みがどこかに消え去ってしまうわけではないけど、痛いと知覚している間は自分自身をある程度コントロール出来ている。次はもう腕が動かなくなるまでと思ってやっても、数十秒の休憩で腕の筋肉はまた動き出す。少しだけパフォーマンスを落としても粘り強く、僕の方が先に諦めるまでずっと耐えてくれている。ならば僕も耐え続けよう。本当にこの腕が動かなくなるまで。鼓動が止まってしまう最後の瞬間まで。