高校生、道半ば

 中学を卒業し、僕は高校に入学した。少し大人になった気がしたけど、不登校になって以来ずっと考え続けてきたことに答えは出ていなかった。時間が経てば解決するだろうとも思っていた。

 高校では改めてバスケットボール部に入部した。心機一転がんばろうと努めたが、厳しい練習に耐えきれず1年が経つ前に退部した。友達や先輩からは色々と言われたが後悔は全くなかった。少しの間、気まずい思いをしたけど、自由にバスケットボールが楽しめると思った。高校の武道場の横に屋外のバスケットボールコートがあったので、授業が終わると部活に入っていない友達と一緒に汗をかいて暗くなるまでボールを追いかけた。気分が乗らなければ帰るし、1人きりで飽きるまでバスケをすることもあった。

 バスケ部に戻るわけでもなく、放課後はほぼ毎日屋外コートで汗を流して帰宅する日々が続く。英語が得意だったので、英検の取得に力を込めた時期もあった。英語の先生に、英検の面接試験の練習相手になってもらったりして2級まで取ることができた。洋楽を聴き始めたのも同時期だった。何となく、日本以外の国へ留学をしたいと考え出したのもこの頃。もっと英語を勉強して、大学に入って留学すればもっと成長できるんじゃないかと淡い期待を抱くようになった。

 卒業する時、3年間ずっと同じだった担任の先生からもらった最後の通知表には、「いのちいっぱい じぶんの花を」と書かれた緑色のスタンプが押され「卒業おめでとう。勇気と夢、大切に!!」と手書きで記されていた。相田みつをの本を僕に紹介してくれて、今思い返せば大したことのないような悩みも当時は親身に聞いてくれた。甘やかされたわけでもなく、突き放されたわけでもなく、僕の可能性を信じてくれたと思うと感謝の気持ちで一杯になる。

 先生、元気にしていらっしゃるでしょうか。道半ばではあるけれど、僕は元気にやっています!

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