家飯、混ぜルーの海老カレー
無性にカレーを食べたくなる時はないか。僕はある。少し辛めが好みだ。母の作るカレーはいつもバーモントの甘口だった。僕以外の家族は満足してたようだけど、僕にとっては甘過ぎた。中辛をリクエストしても、皆辛いと言う。頭数が多いので、多数決になったら遠慮するしかない。いつか自分が食べて一番美味しいと思えるカレーを作りたいと思った。それから随分と時間が経ったけど、ここ最近は自分でカレーを作るようになった。
シーフードカレーの一択だ。特に海老が大好物なので、事前に鰹節と海老で出汁をとる。臭みとりと香り付けの為に、ローリエを数枚投入することも忘れない。海老は頭と胴体を分けてから、剥いた後の殻も一緒に出汁の中に放り込む。弱火でじっくり時間をかけて火を通す。かつおと合わさって海老のいい香りが漂い始める。余っていれば、ねぎの青い部分も一緒に煮込んでいる。
玉ねぎはいつも大量に炒める。玉ねぎ1個の大きさは時期によって多少変わるが6個を使う。それだけ切ると目に染みるのが避けられない。3個目くらいから涙が止まらなくなってくる。なるべく細めに切りたいが、包丁はあまりうまくない。なので玉ねぎの仕込みは手伝ってもらっている。にんじんとじゃがいもは1個ずつしか入れない。一口より少し小さめに切っている。時々マッシュルームを入れたりもする。
鍋に玉ねぎを入れるとかなりの量になる。鍋摺り切りまではいかないが、ほぼ満杯だ。炒める前にバターを入れて溶かすが、玉ねぎを一度に全部入れてしまうと混ぜにくいし、焦げてしまうので注意が必要だ。炒め始めて少ししなっとしたら、更に玉ねぎを追加する。合計で4回ぐらいに分けて鍋に入れる。炒める時間は約1時間半。それだけ炒めると水分がどんどん飛んで最終的には鍋の5分の1くらいまで量が減ってペースト状になる。
トロトロになった玉ねぎはとても甘い。使う肉はいつもささみにしている。出汁の味が濃いので、具はさっぱりさせたい。ささみを加えて色が変わるまで炒める。色が変わったら、にんじんとじゃがいもを入れて串が通るくらいまで煮込んで火を通す。出汁は約800mlぐらいとっているので、残りの水分は市販のルーのパッケージに書いてある分から差し引いて足せばいい。ちなみにいつも200mlくらいの牛乳を入れているので、加える水は200〜300mlくらいだ。
最後にルーを入れるわけだが、僕は市販のルーを二つ買って半分ずつ混ぜている。辛口のルーを選ぶが、炒めた大量の玉ねぎのおかげで辛味が抑えられる。ちょうどいい塩梅になるのだ。ルーを溶いたらそれで完成。少し硬めに炊いたご飯との相性は抜群だ。
カレーに限らず料理が楽しい。レパートリーがたくさんあるわけじゃないが、ひとつの料理を作った経験が、別の料理を作る時にヒントをくれることがある。お店で食べたことはないけど、もしかしたらこの組み合わせでいけるんじゃないかとか。この料理はこういうものだ、みたいなところから少し冒険してみるのもいい。
さて次は、何を作ろうか。