彩華ラーメン、恋しき特盛はどこへ
僕が世界で一番うまいと思うラーメンは、奈良県天理市にある彩華(さいか)ラーメンだ。東京からだと、奈良には直接新幹線が止まらないし時間がかかる。それでも、実家に帰省する度にほぼ毎回食べに出掛ける。名古屋からなら2時間半、三重からなら1時間半くらいが目安だ。初めて食べて以来、味が濃くなったり薄くなったという話を聞くが、大学生の頃から今まで、僕にとってはずっと世界一だ。
大学生の頃、彩華ラーメンは現在とは違う場所にあった。スーパーやファミリーレストラン、そしてレンタルショップや雑貨屋の近くだった。天理市内の大学に通っていたが、大抵はその日の講義が全て終了してから、帰宅途中に寄って食べていた。もしくは夜中にどうしてもお腹が空いて我慢できなくなった時もよく食べに出掛けた。若かったし、味を思い出すと誘惑に勝つことは難しい。当時は麺の量が3玉まで選べて、2玉の大盛か3玉の特盛を頼んでいた。
肝心のラーメンの味は、醤油味にニンニクと中華の辛味調味料が使われている。一般的なラーメンと比べてもかなりニンニクが使われていることは、店内に漂う香りですぐに分かる。なのに、テーブルには追加用のニンニクや豆板醤が備わっているのだ。具材には豚肉の他、白菜がたっぷりと入れられている。ここまで白菜がトッピングされているラーメン自体珍しいと思うが、スープの味が程よく染み込んで、少しシナっとした食感がたまらない。
麺は細麺で、スープとよく絡む。チャーシューはもも肉かばら肉を選ぶことができるが、僕は毎回もも肉を選択している。脂身が少なく、肉肉しい食感がお気に入りだ。その他トッピングに加え、チャーハンをラーメンと一緒に頼んでいる。薄めの味付けで、パラっと炒められたご飯を、レンゲですくったスープと一緒に食べるとスープチャーハン風になって最高だ。
年末の親戚の結婚式以来、実家に帰っておらず、結果的に彩華ラーメンにも行けていない。奈良にも新幹線が止まってくれればと思いつつ、運賃が安くはないだろうから、結局実家から車でドライブがてら行くことになるんだろう。東京でもラーメンを食べれる場所はたくさんあるが、とんこつラーメンばかりが目に付くので、時々塩や醤油ラーメンの美味しい店を発見すると気分が高まる。それでもやはり、彩華ラーメンに比べれば、繰り返し行くことは圧倒的に少ない。最近は下北沢にある中華そばの店がお気に入りだ。
毎日筋トレをしていて、二の腕はかなりたくましくなってきた。最近は下っ腹がへこまないのが気になっている。プランクしかやっていないので、種目を追加してみようと思う。今は世間的にも遠出しづらいが、落ち着いたら、彩華ラーメンにはこれからも通い続けたい。