本屋探訪
行き先に迷ったら、ほぼ毎回本屋に向かう。買いたい本はあってもなくても、本屋に行く。なぜそうするのかって、もしかしたら魅力的な書籍に出会えるかもしれないという淡い期待をいつも持っているから。
本屋に行ってまず向かうのは、大体いつも車やバイク雑誌のコーナーだ。そこで新車や好きなブランドのスポーツカーの情報をチェックする。将来、自らがハンドルを握って味わうであろう極上のドライビングフィールを想いながらページをめくる。非現実的な価格に打ちのめされつつ、いやいやその価格に見合うだけの価値を提供してくれるモデルがないかと誌面と睨み合う。小柄な乗用車よりも、硬派なスポーツカーが好みだ。乗ったことがないので、何とか機会を伺ってハンドルを握りたいと思う。
その次に僕が向かうのは、パソコンやスマホなどデジタルガジェットに関する書籍のコーナーだ。折り畳みのガラケーの利用に拘り、スマホなんて使いたくないと豪語していた僕が、社会人になってからiPhoneに変えて以来、ずっとApple製品にお世話になっている。この文章もMacBookで書いているし、スマホはiPhoneだ。それらのデバイスの新製品や、便利で使えそう周辺機器の情報がないかをチェックしている。より少ない数のデバイスで、よりたくさんの作業を効率よく行う為に役立つ機器があれば積極的に取り入れたいと思う。
気になる雑誌を一通りチェックしたあとは、自己啓発書やビジネス書のコーナーを覗く。目当ての著者がいるわけではないが、面白そうなタイトルやあわよくば今の生活に刺激的な変化をもたらしそうな書籍があればと思って立ち寄る。そして、僕が期待するようなそういった類の書籍は、ない。ないと言うと語弊があるので言い換えると、あるが読書だけでは期待する変化は訪れないという意味。読書体験から得たヒントを元にした行動を伴ってこそ、初めて変化の兆しが現れるだろう。僕が頭でそう思っている間は、まだまだ行動量が伴っていないはずなので偉そうに言えないのだが。
時間があれば、漫画コーナーに寄って気になる作品の新刊がないかをチェックする。店内で過ごす時間はそこそこあるが、ほとんど何も買わずに店を後にする。本を手に取って戻すのを繰り返す内に、どれかの本に全部答え書いてあると思ってない?と思い始める。買った本を読み終わって、それで満足してしまわないか?と自問自答し始める。そんなことを考えている間に、今日はいいや、となってまた後日戻ってくることになる。
もっとたくさんの冊数を読めばいいのか。一冊を繰り返し読めばいいのか。どちらも必要だろう。僕は歩きながらは本を読む器用なことはできないので、読む時は椅子に座る。座りっぱなしではどこにも行けないから、しばらく読んだら立ち上がって歩き出す。疲れたら本屋にでも立ち寄って、また次の一冊に出会おう。何度でも何度でも。