未熟

 筋トレをした後にプロテインや食事を含めた栄養補給をするけど、胃腸の調子が良くないと栄養の吸収率も悪くなると以前に聞いたことがあった。当時一緒に働いていた同僚も、それを気にしていたのか整腸剤を服用していた。僕自身は特に胃腸の調子が悪いとは感じていなかったけど、身体に害はないだろうと思って時々摂取するようにしていた。それによって何かトレーニングの成果にいつもと違う変化があったとは思えなかったけど、トレーニングをしていなかったとしても内臓を含めて体調が良いに越したことはない。大人の僕は既に内臓の機能が完成していて、場合によってはサプリメントなどで調整するという選択肢もあるけど、子どもの場合は大人ほどの選択肢はない。最初から毎日快調だと思っていたら、食生活の変化の影響をもろに受けることもある。

 離乳食を食べ始めてから便秘がちな息子は、病院で処方された薬を飲んでいる。飲み始めて数日で排泄できたから、排泄したその日から薬をやめてみる。自分の力で何とか出せるようになってほしいと思うけど、溜めっぱなしは本人的にも僕的にも気持ちがいいものではない。とは言っても息子は機嫌がいつもと比べて悪いとかはないのだけど。1日出ないだけで、心配性の僕は何だかもやもやしていた。自分にとっては当たり前のように毎日起こることだけど、それは当たり前のことではなくて、小さい時から少しずつ体得していくんだなと思い知らされる。そして薬の効果で出し方を覚えたのか、2日に1回は出るようになった。何となく匂いで分かるようになってきたし、表情にも出ている。

 りんごヨーグルトが好きだ。僕ではなくて息子がだ。1日2回の離乳食には必ず出している。りんごヨーグルト以外の品はその都度変えているから、どれくらい積極的に食べるかは毎回変わる。ただヨーグルトに関して言えば、多少機嫌が悪そうに見えても自分から身を乗り出して食べようとする。おかずを食べたくなさそうな時は、一旦ヨーグルトを数口食べてもらって気を紛らわせてから、再度おかずを口元まで運んでいる。僕も息子と同じように毎朝ヨーグルトを食べる。4つで1セットになっていて、中にアロエが入っているヨーグルトだ。息子にはきっと甘すぎる味だ。甘いからといって嫌がることはなさそうだけど、何となく子どもには食べさせたいとは思わない。大人はずるいなと思いながら、その大人というのは自分自身のことだいうことは敢えてスルーする。

 ヨーグルトの他にも、納豆を最近食べ始めた。嫌な表情をせず食べている。便秘気味だから腸を整えてくれそうな食材を選んでいる。でもいくら食材を吟味しても勝手には出てこないから、最後は息子自身がタイミングと出し方を覚えるしかない。言葉で説明できたらと思いながら、でも果たして言葉で正確に伝わる動作なのかと疑問にも感じる。ふにふにで柔らかいお腹ではあるけど、マッサージもしてみる。膝をお腹につけるように片足ずつ交互に動かす。満更でもないように舌をぺろっと出し笑みを浮かべてこちらをじっと見つめてくる。でもじっとはしていないから、すぐにひっくり返ろうとする。何度も転がる間にお尻からおならの音を放っている。出ない出ないと気を揉んでばかりいても仕方がないと思うけど、やはり不安や心配が全く無くなることはない。

 僕が元気よく過ごしていれば、きっと息子も元気よくいられる。僕が暗い顔をしていると、きっと息子も何となく不安になる。以心伝心と言うけれど、いつも一緒にいるから本当に伝わるんだと思うようにしている。だからといって自分の感情を完全に殺すこともしない。感情は上から力で抑え込むものではなくて、押したり引いたり、時には自然に収まるのを待つこともある。家族には当たらないようにしているけど、感情があると言うのも人間らしさだと思っているから、言い訳にならないようにしながら感情的な自分を全否定しない。こうして文字にするだけでも一歩引いて客観的になれる。人間は未完成の状態で生まれてくるけど、時間が経てば完成されるというわけでもない。完成して自分にできることはもう何もないと思う時がいつか来るかもしれないけど、今はまだその時ではない。それが成長を止めてしまうのなら、その時はずっと来なくていい。

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