家飯
街にはうまい食べ物が溢れている。うまい酒もたくさんある。個人の好き嫌いはあっても、外でなら自分で作らなくてもいいから自炊と比べて楽だ。寿司、お好み焼き、焼き鳥など家で作ろうとすると何かと手間な料理ばかり。そうは言っても毎日外でご飯を食べていては食費が大変なことになってしまうので、少し前から自炊で作るメニューを増やしている。
最近の定番は、坦々麺だ。スーパーで材料を買う。ひき肉は少なめにして中華調味料と麺と野菜を買う。家に帰って調味料を合わせる。ネットで調べたレシピには書いていないが、スープの水は鰹節で出汁を必ず取る。絶対に必要かと言われれば、そもそもレシピに書いていないのだから味にはマイナスにならない。それでも、取る。やはり何か僕自身のオリジナリティを加えたいし、出汁を取ったらもっとうまくなると思っているからだ。実際は坦々麺自体の味が濃いので目立って出汁の効果がわかるわけではないのだが。
麺類は好きだが、粉ものも好きだ。カタログギフトで頂いたたこ焼き器が大活躍した時期があった。最近はあまり出番がないが、毎週作っていたときもある。個数で言うとおそらく50個近くになっていたし、油をかなり使っていたので食べ終わりになると胃が重くなってくる。個数を減らせばいいのだが、作っている時は美味しいからと多めに用意してしまう。
たこ焼きに飽きていたので、今日はお好み焼きに挑戦してみた。最近買った焦げ付かないフライパンを頼りに、生焼けにならないように注意した。材料はシンプルにキャベツと海老。生地には、鰹節で取った出汁と卵を市販の粉で溶いて天かすとネギを加える。フライパンで両面に焦げ目を付けたら、片方に豚バラを数枚乗せてカリカリになるまで火を通す。片面だけ焼いて豚バラを乗せてみたが、火の通りがよくなかったので先にある程度しっかり焼いてから豚バラを乗せることにした。肉に火を通すことで、肉そのものの油がまず染み出す。その油が肉自身を素揚げするようになって、香ばしく焼けていく。
お好み焼きには、海老など魚介類が欠かせない。本当は海老と合わせてイカも入れたかったが、海老だけでも安くないので今回はイカはなしにした。それでも鰹出汁と、元々の粉の旨味が組み合わさって生地が美味しかった。今日のお好み焼きは、事前に想定していたよりも調理が簡単で後片付けも大変ではないので、また作りたいと思う。レシピ通りに作ってもいいが、思いついた組み合わせで試してみるのもおもしろい。思いつきのアイデアの元は、お店で食べるプロの手によって仕上げられた最高の一皿だ。